感性、鑑定。〜 LOVE FURNITURE店長:猪狩孝平さん 〜

目利きな対談、ガテンな対談

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<<<「家具を妥協してるおしゃれな子、多いんですよ」

「ありがとうございます。感性で『商品』に蘇らせてくださって」(岡田)

猪狩: たとえば、このアサヒファニチャーの椅子。70年代製でリプロダクトされていないものなんですけど、曲線のフォルムがきれいで、アメリカのミッドセンチュリーを模している感じが、それだけで好いんです。

岡田: ほう。買い取り専門業者の目線からすると、ブランド性やむき出しのネジ、本革ではなく合皮をつかっていること、デザイン的な価値———-などをひっくるめて「それ風の椅子」という鑑定になるんですよね。本物のミッドセンチュリーと比べて極端に安い金額が買い取り相場だし、状態によっては値段がつかない。

猪狩: 岡田さんは、それでいいんですよ。そうじゃないと、僕らが仕入れられないので。感性や雰囲気だけで家具を見ない、その査定基準はありがたいです。

岡田: ありがたいのはこちらも同じです。買い取りの理路だと処分するしかないような家具を、感性で「商品」に蘇らせてくださって。僕らの「中古」の感覚と、ラブさんが扱う「ビンテージ」は違うと思いますか。

猪狩: どうでしょう、「売れるかな」というのは僕らももちろん考えるんですけど、それと同じくらい、「好きか?」「かっこいいか?」のフィルターを通して見ていますね、家具を。写真に撮ったときの空気感や、ディスプレイしたときの存在感。その姿がかっこいいかどうか。まだまだ試行錯誤中ですが、僕らがビンテージと言ったらビンテージ、通り一遍に商品を並べるリサイクルショップとは違う雰囲気の店にしようとは心がけています。

岡田: 値段はどうやってつけているんですか。

猪狩: 仕入れ値を勘案しつつ、この店に集まってくれるお客さんの価値観をいかにくすぐるか、このくらいの価格だったら売れるんじゃないかと、感覚を働かせています。感覚だから「なんとなく」の部分もあって。この椅子あたりの昭和の家具って、相場がありそうでないんですよ。

岡田: 値付けも感性なんですね。僕は逆で、絶対に「なんとなく」では買い取り金額を決めません。知識や相場で、買取市場での家具の価値って測れるので。買い取りにおいてはきっとそれが正解で、そうだと信じてやっているんですけど、ラブさんを見ていると販売は様相が違いますね。確固たる「かっこいい」の探求や提案が、家具の価値としてお客さんに響いているというか。

猪狩: たしかに。家具の歴史や造りに詳しくて、ブランドの知識も深くて、それにちなんだ家具に相応の価格をつけて売ってるお店はたくさんあるじゃないですか。だから、僕らは違うほうに向かいたいと思っていて。感性と熱量でいきたいな、と。

岡田: そこにお客さんが呼応してくれる、信頼してくれるのが、ラブさんの凄さですよね。そして、価格も高くないですもんね。

猪狩: はい、東京のひとにも安いってよく言われます。

(2019年10月対談)

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